店の経営を任されている安月給平社員の私。
何もメリットもないのだが、まかされたからには
命がけで経営している。それも思考を24時間店のことで費やしている。
毎日、明日、店は大丈夫か、3年後、5年後、10年後、20年後…
そしていつまで仏壇やをやるのか、専務の息子は本当に継いでくれるのか、
不安しかない。そのため、いつもだが目の下のクマがひどい。
先日、某市のお客様から、伝統型仏壇の灯籠の修理を頼まれたので伺った。
ご自宅の塀に法律系の士業の看板がかかげられていた。
仏壇の灯籠を修理して、お位牌をみると奥様は何十年前にもなくなっていた。
おひとり暮らしでも整理整頓、スラックスとワイシャツもきちんとアイロンされていた。
ご年齢をきいて驚愕した。「90歳です。」「ええっ」と言ってしまったが、いや、
立派と思う反面、自営業の恐ろしさ、辞めるタイミングが難しい。資格業というのは、
登録制になっており、年会費を団体に支払っているはずだ。あの業界は数万円は支払うので、
娯楽でやっているわけではないと思う。事務所もきちんとしていて、仕事と町のボランティアの
ファイルが本棚にびっちりと並んでいた。
私も、仏壇やに携わってしまい、90歳くらいまで店にたつのかな…。いや、それまで経営できればよいが、どうなるのか。貯金もない、退職金もない、年金も給与が安いので僅かしか出ない。
こうなると、仏壇屋を細々とやっていくしかないのかな…。
あ~しんどい。
跡継ぎの専務の息子に「仏壇やは、やってみると結構楽しいよ」と目が笑っていない笑顔で、
伝えている。