姉兄という名のヒエラルキーは、いつまで続くのか。
逆転することはないのか、たまに思う。末っ子の理不尽。
私には、年の離れた姉と兄がいる。
姉は、絶対の立場で今も絶大なる権力を握っている。やたら語気も強い。
義理兄が気の毒だと思うほど気が強い。
兄は、ぼや~としている。純文学作品のひとつでも諳んじられれば、いいのだが、
釣りのことしか考えていない。
想えば、姉の理不尽は、小学6年生から始まった。ある日のこと
「もう12歳なのだから洗濯くらい自分でしなさい」と姉から言われた。日曜日になると
自分の1週間分の衣服を洗濯し干して畳む生活が始まった。今思うと相当おかしい。
12歳は、親にやってもらう年齢だ。なぜ姉はそんなことを言ったのか、今も仲は良いが
恐ろしくて聞けない。
高校生になると、姉に「お弁当くらい自分でつくりなさい」と言われ
ヒエラルキー最下層の私は「御意」と言うしかなった。
いつの頃からか、自分用の弁当をつくっていると、社会人だった姉と兄の弁当までつくるように
なっていた。前の晩から生姜、酒、みりん、醤油でつけこんだ鶏肉を
朝、片栗粉をまぶして唐揚げにして二人にももたせた。すると会社から帰宅すると
「唐揚げキシキシになるまであげて」と兄はいう。姉は「私は、唐揚げはジューシーで
ないと嫌」と言い出す始末で…。「御意」「御意」
次の時の唐揚げは、時間差でキシキシとジューシーにあげて二人の弁当に入れた。
先日、アニメで「烏は主を選ばない」(前橋出身の作家さん)のなかで若宮が
「自己犠牲という名の怠慢」と言っていた。
は~。
怠慢やったな。