ザ・昭和の行きつけ純喫茶に行ってきた。
店の奥には仕切られた空間に中東を思わせる透けてるレースのカーテンが
かかっておりここに5人ほど座れる丸テーブルがある。そこで何やら馴染み客のMさんが
独り言を言っている。どうやらなんとかチャでライブ配信をやっているようだった。
カウンター席には、茶髪のゆるやかパーマネントの中年男性が座っており、こちらも馴染み客である。
私も何度かお会いしてお話したことがあるが、人懐っこい感じがする人である。私とは対極の人。
人見知りする私に普通に話しかけてくれるのだから…。私は挙動不審になりながら、
受け答えをする。
ママさんは、毛糸で凝った幾何学模様のセーターを編んでいたのだが、どうやらこの
男性にプレゼントをするためのものらしい。なんでも店の造作の修理をしてくれたのでお礼とのことで
あった。「ママさんね、邪魔する気はないけどね、手編みのセーターっておもいよ」と私が余計なこと
言うとママさんは「これはね、軽い毛糸だから着てもね軽いセーターなのよ~」と物理的な内容で返し
てきた。ほなそうか~と、それ以上は言うのをやめた。
ライブ配信をしていたMさんが配信が終わり「久しぶり」と声をかけてくる。この方は、
私よりも年上なのだがとてもチャーミングで素敵な女性だ。「なんとかチャでちょっとは稼げるよ」と
教えてくれた。それはMさんあなたがチャーミングだからです。と思ったが言わなかった。
Mさんが、帰るとゆるやかパーマネントの男性がMさんについて語りだした。
「あの人面白いよね。自分のことを好きなんだろうね、メッセージングアプリのアイコンも自分の顔だ
もんね」と言うとママさんも「そうね」と返していた。
うん?もしやここのお客様方は、お互いにメッセージングアプリの交換をしているのか。
私は、ここの店の誰ともつながっていない。
シュン。