母が壊した見合い相手と結婚していたら、今頃私は、トイプードルのマロンちゃんをいつも抱っこして

肩にカーディガンかけて生きていたと思う。その世界線からはずれた私は、ドロドロになって生きている。母よ、娘は相当恨んでいるからな。

『夜と霧』を読めば、心の安寧は、生存戦略で大事なんだ。明日の期待なんて忘れちゃって、この仏壇や軟禁生活を楽しもうと思う。そのためにマルジェラは買わない。外付けの自信なんて、穴だらけの鎧と同じなんだよ。意味がない。剥き身の自分で戦っていこうと思う。まわりの人はいう、「ナカガワさん、いい嫁さん貰ったよね、って言っているよ。」って何人もから言われた。相対的に私はどんどん不幸が確定していく。仕方なし、そういう仮面をつけているんだから。それでも私は、軟禁生活で楽しみをみつけている。２０時以降は自分の時間として、動いている。それは相方も黙認している。深夜にファミレスに行って本を読もうが、カフェに行こうが、干渉しない。干渉してきたら「明日から店でないぞ」って言う。

勉強会で出会った女性いた。私が２０代の頃の話しだよ。その人は、窓から見える楓の落ち葉をみて、

太陽の光で透けて黄色がキラキラして見えるでしょう、綺麗ね、って言った。その言葉に「私は、そういったものをみてキレイと思ったことがありません」と返した。今思うと、この女性は、心の安寧を身近なもので満たしていた。とても素敵な女性だった。