友人が店にたずねてきて結婚２０年以上となると夫に飽きた、と言いう人が増えてきた。

飽きるよ。そりゃ。たぶん皆そんな思いを抱えていきていると思うよ。

現状、贅沢はできなくても雨風しのげてご飯を食べられれば幸せと思わないといけない、

と時たま思い出して自分をそう洗脳させて生きていく。そうやっていつか没していけばいいんだよ。

つまらない日常こそが幸せなんだとおもうよ。旅行の写真よりも非日常の記録よりも日常の記録写真の

ほうが過去を振り返ると懐かしく、そして貴重な記録になっていることに気づく。そんなもんだよ。

私は、お家カレーはマクロビにはまった時分にスパイスからつくることに凝っていた。カルダモン、

クミン、ナツメグ、シナモン、ウコン等々を粉砕してココナッツミルクと調合する。カロリーが低くて

尖ったカレーができる。だが、最近は、そんな料理をやる時間がないから、カレーすらつくっていない

。久方ぶりに市販のカレールーでカレーをつくってみた。私は、カロリーが高いものは太るので食べな

いが、家族用に作り置きをした。肉がなかったので、冷凍保存されていた、A５ランクのサシが

すごい牛肉をいれてつくった。食した感想を相方にたずねると「脂っこい」と一言だけ返ってきた。

家族は水であり空気でいい。無味無臭でいい。たまにブルガリのプールオムをつけていた友人を

思い出す。あんなA5ランクの肉みたいなくどい人と生活したら、気持ちが穏やかではないであろう。

無味無臭の相方が丁度いい。毎日、この牛肉の入ったビーフシチューなんて３日もすれば飽きて食べら

れないよ。と友人に話して自分も納得している。

このプールオム男は、独身時代に交際こそしてないが、いつだったか11月に私に朔詩舎で食事をご馳走

してくれたことがあった。喫煙ルームでタバコを吸いに行ってなかなか戻らないから様子を見にいく

と、なかで喫煙していた女性と親しそうに話していた。私は、交際しているわけではないので、

全然、心は穏やかなのだが、「遅かったね、あの方は、お知り合い？」と尋ねると「うん、知らない人

だけど、話しかけられた」とだけ言っていた。

183㎝の細身でアーモンドアイでおしゃれで優しい人だったのでモテる要素が満載の人であった。

それだけにもらい事故も多そうだなと思って客観視していた。

その後、お互い結婚したが、背の高い、小顔の目鼻立ちくっきりの女性と結婚するイメージであった

が、小柄でふくよかな落ち着いた素敵な女性と結婚した。