小学生の頃、国語の教科書で記憶に残っている物語は、と問われれば「朝のリレー」であろう。
時折思い出す、カムチャッカの若者は、何歳になっているのであろうか。今は、何をしているのであろうか。小学生時代の私とともにきっと大人になっている。平和な時代を生きていてほしい、そして今もきりんの夢をみて穏やかな朝を迎えてほしいと思う。神みたいな詩人 谷川俊太郎先生。そんな神様みたいな詩人と、また、神みたいな歌人 木下龍也先生が詩と短歌を交互に読みあう崇高すぎて美しすぎて、神棚にお供えしたくなるような本をつくられた。それもISBN無しなので買えるところが少ない。それもまた美しい。
「これより先には入れません」読んだ感想としては、香道のお稽古をしていたときの空間を思いだす。外は、雑踏と人々の吐息と倦怠感が渦巻いているのに、香道をしている部屋は、異様なまでの静寂が広がる。伽羅、沈香、白檀の香が刻まれて、そこはかとなく高貴な香が漂う。ただただ、聞き耳をたてて香の香りを聞く、静寂でシュールでそれでいて、罪悪感すらある。
これは、谷川先生と木下先生の戦のようなラブレターのような…。
ナナロク社様か桐生の書店でも取り扱っているそうです。ぜひとも買って読んでみてください。