桜の花が咲き満開になり散り始めている。
私は、満開の桜よりも5分咲きくらいの蕾の多い桜が好きだ。
17歳の頃、友人が通学路にある桜の木が冬から春になり、花が咲く頃になると
幹がだんだん赤く染まっていくのよ、と言ったことがあった。
そんな文学的で叙情的で素敵なことを言う友人の横顔が今も忘れられない。
安達を好きになる黒沢と同じような心境で自分が怖い。
桜ってなぜ多くの人を魅了するのであろうか。
文学作品にも梶井基次郎先生の『桜の木の下には』や坂口安吾先生の『桜の森の満開の下』など
桜のあまりの美しさに畏怖してしまうのであろうか。
自宅の近所に円墳がある。その古墳の上に桜の木がたくさん植えてある。
まさに桜の樹の下には…の世界観が広がっている。そこの桜の花びらの色が濃く視えてしまう、
そんな自分が結構好き、と毎年思う自分がいる。
今年も綺麗だったな…。